
ニーナ・シモン(Nina Simone) 本名ユニース・キャスリン・ウェイモン(Eunice Kathleen Waymon)
ニーナ・シモン 唯一無二の音楽家
どんな表現を用いれば私の彼女に対する尊敬と親愛の情を表せるでしょうか。なかなかこんな表現では物足りません。
一番好きな歌手は?と問われるなら、迷わず答えます。
「ニーナ・シモン」
このブログを始めたとき、当然、早い段階で取り上げなければならないと思っていました。
その中には入りません。
はみ出した、特例の存在です。
ほかの歌手と比べて、どちらがどうだ、と考えるまでもなく、まず比較の対象にならない、唯一無二 の存在です。というしかありません。
人間、好みは様々だから、好き嫌いはあるでしょ。なんてよく言われますが、好き嫌い、などという軽い表現の範疇には入りません。断固として。 もうその音楽、歌、ピアノ、語り、生き方、すべてに於いて、いったん触れようものならその魅力から逃れられない、離れられない、忘れられない、強烈な影響を受けます。間違いありません。
自分と同時代に、アメリカ合衆国のアフリカン・アメリカンとして存在したことに、私は歓びを覚えます。
Coffee Break (ちょっと一休み)
「ニーナ・シモン」 と日本語でカタカナ表記をしてしまうのはしょうがないことですが、彼女のファンとしては少々残念な点でもあります。彼女はフランスの映画俳優のシモーヌ‣シモレのファンだったので、芸名をシモーヌ(厳密に言うとスィモーㇴ)といっているそうです。
わたしも子供の頃に毎日のように3時からの「奥様洋画劇場」でヨーロッパ映画を見ていたので、シモーヌ・シニョレは好きでした。媚びた笑いをしない、というイメージはニーナ・シモンと同じです。
昔読んだ彼女の伝記に、アメリカでの黒人解放運動時代ののちのヨーロッパ、アフリカと住んでいたときの話ですが、混乱期の西海岸リベリアの当時の大統領(妻子あり)の立場的には恋人、愛人だった、とあったのが思い出されます。戦乱期に大統領や親族は処刑された、とありました。なんとも激動の人生です。